ブルースコラム~歴史とエピソード

ブルース前夜

奴隷制度の悲劇が終わり、そしてブルースは始まった。

「ブルースは黒人の持つアフリカ民族文化と白人の西洋文化がアメリカで融合したものである。」と、ブルースについて語る本には多かれ少なかれ書いてあります。

だとすると、ブルースの発生はアフリカの黒人がアメリカに連れてこられた奴隷貿易時代にさかのぼるのかと思いがちですが、どうもそうではないらしいのです。

孤独から生まれたブルース

アフリカの民族文化は部族、大家族を中心にした「共同体」が中心の文化で 「みんなで踊る」「みんなで唄う」が基本になっています。

奴隷制度下の生活は当然集団生活で、音楽についても大勢で唄い踊る「部族ダンス」やリーダーの歌ったメロディーを反復する「ワークソング」が中心だったそうです。

初期のブルース(カントリーブルース)の大きな特徴が「一人で弾き語る」ことにあります。

奴隷制度の廃止(1863奴隷開放宣言)で共同体を解体され、自由を手に入れた代償として背負った「個人主義的な孤独」と見せ掛けの平等に潜む「新たなる差別」がブルースを生んだと言えるようです。

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この記事を書いた人

12才よりギターを始めキャリアは30年以上。
20代半ばでブルースに目覚め、集めたCDは100枚以上。

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