憂歌団の名盤感想
「日本人に本物のブルースは歌えない」
この意見、僕はある意味賛成です。
ブルース・オタクの意固地な考えと思われるかも知れませんが、よく考えてください。
青い目をしたブロンド美人が歌う演歌に、日本の心を感じることが出来るでしょうか?
同様にアフロ・アメリカン以外が歌うブルースには違和感があって当然なのです。
「憂歌団」のバンド名は、まさに「ブルース・バンド」の直訳ですが、
憂歌団のブルースは「日本人の日本人による日本人のためのブルース」なのです。
「10$の恋」という曲があります。
売春婦に恋をした男のブルースです。
僕はこの歌が一番好きです。(「おそうじオバチャン」も「パチンコ組曲」も、もちろん大好きです。)
短い歌詞の中にも、木村くんの歌いまわしの一つ一つにも「切なさ」がにじみ出ています。
こんな切ない歌は日本人にしか歌えないんじゃないでしょうか?
本場のブルースはアフロ・アメリカンにしか歌えないのかもしれませんが、
「憂歌団のブルースは日本人にしか分からない」
と胸を張って言いたいですね。
憂歌団のベスト・アルバムは何枚も発売されています。
このベストはいくつもレコード会社を渡り歩いた憂歌団の名曲をレーベルの枠を超えて集めた
本当のベスト曲集です。
まだ憂歌団を経験していない方は是非どうぞ。 「10$の恋」で泣いてください。
憂歌団を日本一のライブバンドとして知らしめた名作ライブ・アルバム。
最近は手に入りにくくなっているので、見つけたら100%「買い」です。
内田勘太郎
憂歌団の活動停止後、長らくブルースと向き合おうとしなかったギタリスト内田勘太郎の真っ向勝負のブルース・アルバム。
やっと、やっと帰ってきてくれました(涙)
チャキの枯れた音を、ホンマもんのボトルネックの音を堪能してください。