マディー・ウォーターズの名盤感想
世界中のブルーズに影響を受けたロック・ミュージシャンが、もれなく聞いたド定番&バイブル的アルバム。
ストーンズのバンド名は「ROLL’N STONE」の曲名から拝借したというのはあまりにも有名な話。
戦前、聖地シカゴのブルーズは「シティー・ブルーズ」と呼ばれ隆盛を極めた。「シティー・ブルーズ」とは言うまでもなく「カントリー・ブルーズ」との対比から生まれた名で、そのサウンドは都会的、ある意味「白人社会との同化」を意味していた。
マディーはその「シティー・ブルーズ」のスタイルに、もう一度デルタの魂を吹き込み「シカゴ・ブルーズ」の礎になった男である。
決してギターが上手いわけでもなく、歌が特別上手いわけでもない。それでもなお惹きつけられるのは、彼の放つ強烈なフェロモンのせいではなかろうか?
彼のブルーズは「強い男」そのものだ。
精力絶倫で肉体を誇示し、また何者も寛容に受け入れるその姿に多くの者は「古き偉大なる父親像」を見たに違いない。それはまた、アフリカにルーツを持つ黒人文化のコアな部分でもある。
現在のブラック・ミュージックにもかすかに残る「匂い」は、このアルバムにその原点を嗅ぎ取ることが出来る。
ちなみに彼の代表曲の「フーチー・クーチー・マン」の「フーチー・クーチー」とは「男性の○○○(自主規制)と女性の○○○(自主規制)」を意味する隠語だそうだ。
う~~ん、やっぱり精力絶倫だ(笑)