即・楽・快! ギタリストのための作曲術
成瀬 正樹
ギタリスト視点で書かれた作曲のためのアイデア集。
「これはこれから作曲を始めようという人にはちょっとわかりにくいな」というのが最初の印象。
逆に1曲でも、いや4小節程度のフレーズでも作ったことのある人にはとても面白い本だ。
作曲っていうのはメロディーだけ作ればいいのではなく、コード進行やアレンジを含めて楽曲を作ることだと思う。むしろメロディーだけポンとできるなんてことはめったになく、先にある程度コード進行を作っておいて後からメロディーを乗せることの方が一般的だ。
この本を読むときはそういう認識で読まないとよくわからないんじゃないかな。
本書の構成は以下の3つからできている。
- コード編
- 基盤となるコード進行を作るためのアイデア。作曲というよりコードアレンジの解説が中心。
- メロディー編
- リズムからのアプローチやスケールからのアプローチ法など。歌メロだけでなくギターソロの作り方などインストロメンタルな部分に多くのページが割かれている。
- フレイバー編
- 曲の構成や転調、マンネリから抜け出すためのアプローチ法など。
初めて作曲をしようという人には「メロディ編」から読むのがおすすめ。もちろん読んだだけで曲ができるわけもないのでコード進行を組み立てて、たとえワンフレーズでも作ることに挑戦してみてはどうだろう。
最初からカッコイイ曲ができるなんてありえない。ダサくても単調でも自分の力でメロディーをひねり出すことが大事。
一つのモチーフができればさらにコード進行を変化させたり、リズムを変えたりしながら少しづつ楽曲らしく組み立てていけばいい。
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音楽理論的な用語が頻繁に出てきて、しかもあまり詳しい解説もないので少し予習しておいた方がいいかも。
本サイトのコード理論講座は少しお役に立てるかな。
同じ著者のコード進行パターン集。
理論的な裏付けも適宜解説されている。
あわせて使うと良いかもしれない。