パーカッシブな奏法
初期のブルースほどアフリカの打楽器中心の民族音楽的な要素を多く含んでいて戦前のカントリーブルースでは、つま弾くというより叩き付けるようなビート感の強いものも少なくありませんでした。
まあ、実際にギターを叩いていることも珍しくありませんが(笑)。
ストラミング
フィンガーで弾くストロークのこと。プリウォーブルース(戦前のブルース)では特に多用されていました。
ダウンは人指し指、中指、薬指の爪側で、アップは人指し指の腹でかきあげるように弾きます。
カッティングは、中指でおはじきを弾くように弾いた後、手のひらで「ジャッ」と音を止めます。
ミュート
ブルースに限りませんが、ビート感を出すにはミュートのテクニックが非常に重要です。
右手の手のひらの付け根あたりを使って消音します。
コンスタントベースでは、5、6弦上のサドルの上において、常に軽くミュートをかけた状態で弾くとドライブ感が倍増します。
スナップベース
ベースのチョッパーに似た奏法です。親指の腹を外側に向けて6弦を持ち上げるように弾いて「ビシッ」という音を出します。
この時親指だけを動かすのではなく手首を回転させるように弾くと演奏がスムースになります。
音を聞いてみる
ストラミングとスナップベースを使った例です。八分音符はイーブンです。(初期のブルースではシャッフルを刻まないことも多くありました。)
パウンディング
デルタブルースの創始者、チャーリー・パットンの十八番!ギターのボディーを叩きながら同時にフレーズ(ベースラン)を弾くという物理的に不可解な奏法(笑)パットン自身の映像が全く残っていないため(戦前の人なので)実際にどういう風に弾いていたのかは謎のままである。
興味のある人はパットンのCD『FOUNDER OF THE DELTA BLUES』をお聞きください。
パウンディングではありませんが、レファラント・ゲイリー・デイビスのように、ハンマリングとプリングだけでフレーズを弾きながら、ギターを叩いて(または、指パッチンで)リズムをとるというのもありです。
余談ですが…。
関西が誇るリズムショー、『横山ホットブラザーズ』のアキラ師匠(長男、ノコギリの演奏で有名な人)はギターをポコポコ叩いてまさにパーカッションとして使います(そのまんまやん)。ちなみにこの人のお父さん(故人)はハーモニカを吹きながら、手で洗濯板をかき鳴らし、足で太鼓を叩く、ひとりジャグバンドの日本での第一人者でした。